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アマゾンが目黒に新施設!「AWS Loft Tokyo」の実態とは

アマゾンがスタートアップの活動を支援することを目的とした新しい施設「AWS Loft Tokyo」を10月に東京・目黒にオープンする。日本のスタートアップはこれをきっかけに活気づくのだろうか?

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アマゾンがスタートアップの活動を支援することを目的とした新しい施設「AWS Loft Tokyo」を10月に東京・目黒にオープンする
  • アマゾンがスタートアップの活動を支援することを目的とした新しい施設「AWS Loft Tokyo」を10月に東京・目黒にオープンする
  • アマゾン ウェブ サービス ジャパンの代表取締役社長の長崎忠雄氏
  • 現在もAWSサービスを様々なスタートアップが利用している
  • AWS Loft Tokyoのイメージ
  • テクニカルサポートが常設。様々なセッション、トレーニングイベントが開催される
 アマゾンがスタートアップの活動を支援することを目的とした新しい施設「AWS Loft Tokyo」を10月に東京・目黒にオープンする。基幹ビジネスであるネットショッピングを起点に、AIアシスタントの「Alexa」やロボティクス、画像認識などセンシング技術を活かした無人決済ストア「Amazon Go」など新規事業を次々とローンチしてきたアマゾンが、なぜいまスタートアップの成長を支える必要があるのだろうか。



アマゾンがスタートアップの活動を支援することを目的とした新しい施設「AWS Loft Tokyo」を10月に東京・目黒にオープンする


 AWS(Amazon Web Service)はコンピューティングにデータベース、ストレージ、アナリティクスからAI・IoTまで多彩な機能を統合したWebサービスのプラットフォーム。アマゾンが2006年から提供を始めて、現在は世界各国の大手企業や政府機関、スタートアップ企業もこれを活用している。

 アマゾンは5月30日に都内で開発者向けイベント「AWS Summit Tokyo 2018」を開催。アマゾン ウェブ サービス ジャパンの代表取締役社長の長崎忠雄氏が基調講演に登壇して、AWSサービスの強化戦略とともにAWS Loft Tokyoの立ち上げを発表した。

アマゾン ウェブ サービス ジャパンの代表取締役社長の長崎忠雄氏


 AWS Loft Tokyoは10月にアマゾンジャパン合同会社とAWSジャパンが目黒セントラルスクエアに移転する機会と同時に開設される、スタートアップによるAWSを活かした新しいサービスやプロダクトの開発を支援するための拠点だ。

 AWSジャパンの長崎氏は「アマゾンは生まれながらのテクノロジーカンパニー。その歴史も元を辿ればスタートアップから始まった」としながら、1994年の設立から24年の間に生まれてきた数々の“小さなアイデア”から、電子書籍端末のKindleやAmazonプライム・ビデオ、Alexaを搭載したスマートスピーカー「Echoシリーズ」やAmazon Goが実を結んだと振り返る。「AWS Loft Tokyoが、次世代の日本のビジネスを担う方たちの可能性を広げて、ビジネスを成功に導くお手伝いをしていきたい」と長崎氏は意気込みを語った。

 AWS Loft TokyoはJR目黒駅から徒歩圏内の場所に、今年の10月からオープンする。施設ではAWS周辺のノウハウについてテクニカルとビジネスの双方からサポート・アドバイスするためのセミナーを無償で開催する。

 長崎氏は「クラウドによるビジネスを立ち上げ、安定基調に乗せるためには技術的な足場を固めることはもちろん、ビジネスの側面からもプラットフォームを確立させることが肝要」であると強調する。セミナーには国内外のスタートアップ企業やベンチャーキャピタル、アクセラレーターなどパートナー企業のエキスパートを講師に迎え、レクチャーなどにより起業やファンドのことも学べる機会が提供される。

AWS Loft Tokyoのイメージ


 AWSアカウントIDの所有者であれば施設のコワーキングスペースが無償で利用できる。スペースは全体で180名を収容できるキャパシティがあり、個人用の作業スペースやディスカッションのための会議スペースなどが作られる。

 Architect(アーキテクト)と呼ばれるAWSのソリューションに精通するエキスパートも施設に常駐して、技術相談やテクニカルハンズオンに無償で対応する。IoTにAR/VRなど先端的な領域については特にワークショップラボなどを実施しながらコンセプトメイク、プロトタイピングの各段階で手厚い支援をおこなうという。

テクニカルサポートが常設。様々なセッション、トレーニングイベントが開催される


 AWS Loft Tokyoはアメリカのサンフランシスコ、ニューヨークに続いて世界で3番目のアマゾンによるスタートアップ支援を目的とした施設になる。世界には日本のほかにも欧州や中国、イスラエルなどスタートアップの活動が盛んな地域もあるが、なぜ東京が選ばれたのだろうか。

 ひとつにはやはり、長崎氏が基調講演でも名前を挙げていた、アマゾンにとって大事なパートナー企業が日本に多く存在しているからだろう。国内のスタートアップと呼ばれる企業の中には、大手企業の新規事業開発部門からスピンアウトしたり、プロジェクトを元大手企業の人材がリードしているケースも数多くある。彼らの活動を支えながら、日本企業とのコネクションをさらに深めていくことが、引いてはAWSの信頼性を向上にもつながっていく。

現在もAWSサービスを様々なスタートアップが利用している


 また2020年には東京オリンピックも控えていることから、都市交通インフラ系を中心にこれから日本のスマートサービスに世界の関心が向くと言われている。スタートアップに限らず、クラウドサービスを下地にアイデアを活かしたサービスを新たに立ち上げようとする企業の競争が、これからさらにヒートアップするに違いない。アマゾンがその競争を勝ち抜くために今から数々の仕掛けを放ったとしても、早すぎるということはない。

 アマゾンのスマートスピーカーに搭載されているAIアシスタント「Alexa」も、昨年秋からのテストパイロットを終えて、ようやく今年の春から本格始動した。ボトルネックになっていたのは「日本語対応」の壁だったとも言われているが、現在ではかなりスムーズな音声によるコミュニケーションが可能になった。

 ただ、日本語の微妙な言い回しやユーモアのセンスだったり、そもそも日本人が音声入力サービスを使うことに奥手であることなど、カルチャーギャップをアマゾンが埋めていくためにはまだ時間がかかりそうだ。本当の意味で地域に根ざしたサービスのローカライズを実現するためには長い時間をかけて肌感覚を摺り合わせることが何より大事だ。

 技術を提供するアマゾンと、その利用者が顔を合わせながら近い距離でコミュニケーションを図れる場所が東京にできることは、間違いなく歓迎すべき出来事である。これから日本で利用できるアマゾンのサービスがますます洗練されて使いやすいものになるのだろうか。期待も膨らんでくる。
《山本 敦@RBB TODAY》

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