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【試乗記】BMW X1 sDrive18i 、小さなネガを見るか、大きなポジを見るか…中村孝仁

BMW 『X1』に試乗するのはこれが3度目。ただし、一度として同じグレードには乗っていない。今回試したのは「sDrive18i」といういわゆるエントリーグレードのモデルだ。

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BMW X1 sDrive18i
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BMW 『X1』に試乗するのはこれが3度目。ただし、一度として同じグレードには乗っていない。今回試したのは「sDrive18i」といういわゆるエントリーグレードのモデルだ。

何故これを試したかというと、他グレードとは異なる新しいトランスミッションが採用されたから。勿論これまでもこのグレードは存在し、やはり他グレードとは異なる電子油圧制御式6速ATが搭載されていた(他グレードは8速AT)。しかし、昨年8月以降、このグレードのトランスミッションはゲトラク製のツインクラッチ7速DCTに改められたのだ。因みに、BMWの公式サイトを見ても2月2日現在ではまだ諸元では6速ATとされているが…。

通常のオートマチックトランスミッションを我々はよく「ステップAT」と称する。VWが初めてツインクラッチの、いわゆる電子制御マニュアルDSG(VWはそう呼ぶ)を投入した時、そのスポーツ性をこぞって褒めちぎった。確かに当時のステップATと比べたら抜群に素早い操作が出来て、運転が楽しくなったのは間違いなかった。

ところが時がたって、そのステップATが大躍進。今やツインクラッチDCTと大差ないスポーツ性を発揮し、一方で渋滞時などクラッチの断続が頻繁に行われることでギクシャクした走りが不可避となるDCTに対し、ATはそれが全くないからよりスムーズな運転が出来るとあって、なぁんだ、ステップATでいいじゃん…ということになった。そして世の中の流れもそうなって来たと思っていたところに、BMWが敢えてATに代わってDCTを出してきたのだから、何で?となったわけである。

BMWによればこのトランスミッションの採用はスポーティーな走りを実現するから、とされている。しかし、もしそうなら本来はパドルシフトを付けてもらいたいところだが、残念ながらそれはなく、マニュアルモードを使用する際はギアシフトを動かすことになる。そのギアシフトの形状も従来のATとは変わり、確かにスポーティーなデザインのものとなっている。

走りはどう変わったか。普通に流れに乗って走っている限り、恐らくその差は感じられないのではないかと思う。6速から7速に変わり、各ギアの守備範囲が狭くなったことで、全体的にエンジン回転が引き下げられた。このあたりが燃費に効いているのかもしれないが、普通に走っていて、ふとタコメーターに目を移すとほぼ常に1500rpm前後で、滅多なことでは2000rpmを超えない。実にスムーズで、しかも前述したようにエンジン回転が引き下げられているので燃費は向上していると思われる。

残念ながら6速時代のデータを持っていないので何とも申し上げられないが、一応実燃費ではこちらの方が有利そうだ。問題は渋滞時である。延々と続く渋滞にはまったその中での感想は、やっぱりステップATの方が良かった…である。DCTは微妙に車両スピードが変化するような低速時には、クラッチと繋いでいるべきか、あるいは切るべきかを迷っているしぐさが時々見られたのだ。

恐らくBMWはダイナミックな走りを可能にするDCT採用によって、メーカーコメントにある通り、スポーティーな走りが実現できたと考えていると思う。それは90%間違いない。しかし、日本の都市部ような特殊な交通環境においては、ほんのわずかなネガ要素が出る。それが上述した部分だ。勿論メーカーとしてはそんなことは織り込み済みで、承知の上でDCTに切り替えたはず。つまりDCTは少なくとも6ATと比べて大きなポジがあって、そのメリットは小さなネガを凌駕すると考えたに違いない。

都内の移動ばかりにこのクルマを使うユーザーは、もしかすると前の方が良かった…と感じるかもしれないが、ひとたび郊外にでて高速クルージングを敢行すれば大きなポジが見えてくるはずだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来39年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

【BMW X1 sDrive18i 試乗】小さなネガを見るか、大きなポジを見るか…中村孝仁

《中村 孝仁@レスポンス》

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